なつやすみ日記

猫のような日々

週刊ビックコミックスピリッツ2016年17号

f:id:jassmaz:20160321054439p:plain

いきなり打ち切り最終回のようなシーン。

 

前作も野球漫画を描いていた中原裕先生。今作はいきなり高校三年生の最後の試合から舞台をはじめています。ガンダム富野由悠季監督の作品のように文脈は知っていて当然!と言わんばかりに読者置いてけぼりでストーリが進んでいます。25巻目から読み始めた野球漫画と言えばいいでしょうか。そもそも野球関係の不祥事が続いているのに爽やかな青春ストーリを見せられても共感ができにくいんですよね。この後、主人公がどういう道に進むのかわかりませんが、トライアウトを受けて二軍スタートをしたら覚せい剤を勧められたとか、大学進学をしたら女子マネージャを集団レイプしそうになって主人公がブチ切れるとか見てみたいです。

のりつけ雅春先生が別のギャグ漫画を描いたらつまらなすぎた挙句の果てにアフロ田中を復活連載させたように権謀術数の駆け引きを楽しむ野球漫画に路線変更するかもしれません。ちなみに今週のアフロ田中は夢オチ天丼ギャグで久々におもしろかったです。

f:id:jassmaz:20160321060933p:plain

赤堀君先生は2012年に佳作を受賞したばかりの若手です。「ぐりこカミングスーン」が初の週刊連載。音楽枠。「憧れだったバンドは考えているよりもずっと遠くにあった・・・俺たちの夢は何だったんだ・・・?」と打ち切りを食らった「モッシュピット」のようにバンドマンの9割9分は自己満足オナニーをひたすらし続けている気持ち悪い人たちなんですよね。大学の広場で歌っているときはかっこよかったけど、社会人になると彼氏との比較対象が増え、「あれ?こいつ何も作ってなくね?」と気づき破局するのは恒例行事です。そんなダメ男に惚れているグリコちゃんが主人公の漫画「ぐりこカミングスーン」。

 

バンドマンは幼稚なクズ野郎だから、練習が必要でかっこいい大人の男がやっている音楽を描こう・・・それってなんだ!ジャズだ!!!石塚真一先生の「BLUE GIANT」だ!ジャズ漫画がこんなに売れたのはじめてでしょ!!!

BLUE GIANT 1 (ビッグコミックススペシャル)

BLUE GIANT 1 (ビッグコミックススペシャル)

 

 じゃあ?女の子の音楽は?・・・言うまでもなくアイドルなんですよね。このアイドルブームはいつまで続くのか。2012年頃にアイドルブームは下火になると某音楽評論家の予測は大きく外れています。一方で某音楽評論家が押していたインディ・ロックバンドは解散に追いやられる、メジャーデビューしても半年後には空中分解するという状況なんですよね。

 

f:id:jassmaz:20160321060949p:plain

ダメ男に貢ぐためにグリコちゃん。

 

経済的に続けられる可能性が若手に残されているのがアイドルグループなわけだけど、それすらも市場原理主義の暴力に飲まれていることは変わりない。真鍋昌平先生の短編「アガペー」や大森靖子さんの存在が表しているけど、アイドルになりたいのになれない絶望を描くように、葛藤の末にメンヘラ化している女の子が目立つようになっている。アイドルデビュー→AVデビュー→失踪?のようなケースは後を絶たないし、清楚系AVという欺瞞に誰もが気づくように、アイドルという言葉自体に清潔感を失いつつあるんですよね。だから、アイドルになりたくないのに卓越した才能を持っている主人公という設定にすることで清潔感を保っている。アイドルやりたかったら汚いからね。

 

f:id:jassmaz:20160321061012p:plain

今週の団地ともお藤子・F・不二雄先生を彷彿させるショートショートSF。ちょっと前までギャグの切れが失速気味だったけど、最近徐々に改善しつつあると思う。数週前のともおがスティーブ・ジョブズのコスプレをするのは爆笑しました。もちろん特徴的なプレゼン付き!

 

今作は時間をお金で買い取ってくれる時間セールスウーマンがともおの前に現れる。勉強の時間やマラソンなどやりたくない時間を全て売り払っていたらおじいちゃんになってしまっていた。作者も中年男性のともおを描くのははじめてだろう。設定自体はありがちだけど、オチのつけ方に一捻り加えるだけで作家性を示すのは"流石"の一言を贈りたい。

 

 

週刊ビッグコミックスピリッツ 2016年17号 [雑誌]

週刊ビッグコミックスピリッツ 2016年17号 [雑誌]

 

 

 

 

Wordpressの日本語表示の改善

Wordpressでサイトを量産しているときにカスタムcssにコピペしておくと日本語表示が改善されます。僕の設定は以下。

h1.post-title { font-family: Meiryo, メイリオ, ArialMT, 'Hiragino Kaku Gothic Pro', 'ヒラギノ角ゴ Pro W3', Osaka, Verdana, 'MS Pゴシック'; color: #000000; margin-bottom: 5px; font-size: 28px; font-weight: 900; } 
h2 { color: #333; font-size: 20px; font-weight: bold; margin-bottom: 5px; } h2.post-title { color: #333; font-family: Meiryo, メイリオ, ArialMT, 'Hiragino Kaku Gothic Pro', 'ヒラギノ角ゴ Pro W3', Osaka, Verdana, 'MS Pゴシック'; margin-bottom: 5px; font-size: 18px; font-weight: bold; }
p { color: #333; display: block; font-family: Meiryo, メイリオ, ArialMT, 'Hiragino Kaku Gothic Pro', 'ヒラギノ角ゴ Pro W3', Osaka, Verdana, 'MS Pゴシック'; padding: 0; margin: 0 0 20px; font-size: 16px; line-height: 26px; word-wrap: break-word; }

特にbootstrap系のcssフレームワークは日本語表示がひどいのに初期設定のままにしている人けっこういるんですよね・・・。font-familyだけでもコピペしておくと見栄えはかなりマシになります。

大卒ニートが戦場に行くドキュメンタリー『ポイント&シュート』

Netflixで鑑賞。サブスクリプション・サービスの性質上仕方がないのかもしれないが、サブスクリプションは古い映画や売れなかった映画、市場的価値が死んでいる作品がラインアップされている。ただ、ドキュメンタリー映画に限っては最近の映画もそれなりに揃えてある。

 

日本の映画市場でドキュメンタリー映画はニッチなジャンルだ。ほんの少し前に映画評論家の町山智浩さんが『未公開映画を観る』という番組企画を放送していたのも記憶に新しい。映画という言葉を聞くとフィクションを思い浮かべるのが一般的だろう。『未公開映画を観る』はドキュメンタリー映画を鑑賞する番組企画だったのだ。

 

ニッチで市場的価値が低い、それがドキュメンタリー映画だ。そのおかげでNetflixなどのサブスクリプション・サービスに日本未公開のドキュメンタリー映画が多くラインアップされているのだろう。

ポイント&シュートはどのような映画か。

ポイント&シュートは文系の大学卒業ニートのマシュー・ヴァンダイクのセルフキュメンタリーだ。彼は友達がいなくて自室でオンラインゲームをずっとやり続けるようなタイプ、つまりナードと言われる類の人間である。世界中をバイクで旅をしながら映画を撮ろうと思った。あわよくば有名になりたいという功名心もあったと映画内で吐露している。失うものが無い身分、功名心、それを満たしてくれるそうなSNSなどのWebサービス、ただの大卒ニートが気づいたらリビア自動小銃を抱えていた。リビアの解放運動に参加したのだ。

母国で自分語りをするマシュー・ヴァンダイク氏。

f:id:jassmaz:20160317010101p:plain

如何にもオタク、ナード、ギークという言葉を連想する風貌だ。

戦場経験をしたマシュー・ヴァンダイク氏

f:id:jassmaz:20160317012040p:plain

f:id:jassmaz:20160317012052p:plain

顔つきがまるで違う。別人になってしまったのではないだろうと疑いたくなるほどだ。比較してみると笑ってしまうほどだ。変人が戦場に行くとここまで変わってしまう。日本人にも彼のような人物がいる。無謀な勘違いの果てに戦場に向かい現地の兵士に捕まり処刑されてしまった湯川遥菜氏という人物を覚えている人もいるだろう。

ISILによる日本人拘束事件 - Wikipedia

 

無謀な行動を取り続けるマシュー氏も現地で政府軍に捕まり、劣悪な環境で6ヶ月間監禁されている。もちろん米国政府は彼を助けようとしていたが外交途絶中の政権と交渉は難航。彼は死を待つのみだった。運が良いことに反政府軍が収容所を襲撃し、混乱の隙に脱獄することができた。ようやく母国に帰れるはずだったが、反政府軍のおかげで命拾いをしたから彼らに恩返しをする義務があると。そして、リビアに残ることを決意するのだ。

f:id:jassmaz:20160317011815p:plain

ジャーナリストに母国に戻れと説教されるマシュー・ヴァンダイク氏。

 

彼は反政府軍に協力し銃を撃ちまくり、帰国後は映画も公開することでき、米国で平和に暮らしているそうだ。故人のことを悪く言うのは不謹慎かもしれないが、湯川遥菜氏が助かった未来があったとして、マシュー氏と同じ行動を取ったならば非難轟々かつ日本で平穏に暮らすことも難しくなりそうだ。僕自身、おぞましい行動であると思ってしまう。報道によると湯川氏も功名心が強かった人物だったそうだが、同様にマシュー氏も功名心が強いと映画内で独白している。功名心を満たしてくれているのがSNSなどのWebサービスであり、彼の周りの兵士達も功名心を満たすためにSNSにアップロードするための写真を撮りまくっていた。

 

f:id:jassmaz:20160317015650p:plain

広場の中心で重機関銃を乱射する男性を携帯電話で撮影している様子。

 

重機関銃は固定して使用する兵器だ。当たり前だが戦場で目立つ行動をするのは死に直結する。強力な兵器を操る男らしい姿を撮影し、知人友人に誇りたいだけなのである。

 

リビアの解放運動に限らず、シリア内戦にも見られることだがYoutubeTwitterFacebook・・・携帯電話で撮影したチープな戦場の写真で溢れている。指で数え切れないほどに戦死者がいるにも関わらず、戦場のような戦場でないような、まるでFPSをプレイしているような軽薄さがある。戦場のスペクタルが永遠に広がっていくような錯覚すらある。

 

1994年公開の青春映画『リアリティ・バイツ』では不況に苦しむ若者の姿が描かれた。大卒後就職出来ない者が出始めた時代だ。モラトリアムと満たされない感情。20年後に描かれたのは功名心を満たすために自身と戦場が同化することだった。*1

 

シリア 戦場からの声

シリア 戦場からの声

 

 

セカイ系とは何か ポスト・エヴァのオタク史 ソフトバンク新書 (SB新書)
 

 

 

 

 

 

*1:セカイ系のようだ、と思った。もちろんガチガチの思想を持った人も戦場にはいるだろう。しかし、多くの人達は友人に自慢したくて暴れているだけのように見えてしまう。友人知人という日常、一歩先で銃弾が飛び交う戦場、携帯電話とSNSというツールで、誰もがセカイ系的なメンタリティに陥りやすくなっているのではないか。

amazonベーシックで9V乾電池を購入してみた。

プライベートブランドとは?

プライベートブランドは大手量販店がOEMで生産している独自製品のことである。大概は生産元のブランドより値段が安くなることがほとんどであるが、無印良品セレクトショップは値段を高めに設定することもある。

amazonプライベートブランドamazonベーシック』は2014年開始

ラインナップは100円や300円で売ってそうな雑貨品が中心だそうだ。amazonで買う必要性がなかったので今まで知らなかったが、久々にエレキギターをかき鳴らしたかったがエフェクター用の9Vの電池が切れていた。というわけで僕は9V乾電池を購入したのだ。

f:id:jassmaz:20160315172720j:plain

他言語で書かれているのがグローバル企業らしい。

f:id:jassmaz:20160315172815j:plain

開封すると中身はごくごく普通の乾電池。

 

もちろん普通に使えました。 

 

9Vの乾電池の利用方法はエフェクター以外に見たことがない。ググってみるとラジコンに用いられることが多いみたいだ。近年はドローンを飛ばす際に9Vを使う人もいるとか。基本的にニッチなジャンルで使われる電池のようです。”ベーシック”なのに変ですね。

Amazonベーシック アルカリ乾電池 9V形8個パック

Amazonベーシック アルカリ乾電池 9V形8個パック

 

 

週刊ビッグコミックスピリッツ 2016年15号

僕は週刊スピリッツの長年の読者である。

僕は週刊ビッグコミックススピリッツを長年読み続けている。浦沢直樹氏が20世紀少年を連載していたころからだから15年に渡って読み続けているわけだ。しかし、最近は売り上げが低迷しているせいかコンビニで手軽に購入することが難しくなっている。2、3店渡り歩いて一冊在庫があればいいほうだ。編集部もこの事態に気づいてきたのか他誌に遅れながらも2016年1号から電子版を配信するようになっている。  ちなみに現在の発行部数は約16万5000千部程度である。

 

週刊ビッグコミックスピリッツ 2016年15号 [雑誌]

週刊ビッグコミックスピリッツ 2016年15号 [雑誌]

 

  

人気が無ければ10週の連載で打ち切る少年ジャンプのように、スピリッツも打ち切りのお家芸がある。鳴り物入りで始まった連載、しかし、巻末方面で連載が目立つようになりいつの間にか他誌に島流し、無かったことにされるという編集方針である。最近は曽田正人氏のテンプリズムが他誌どころかWeb連載に島流しされるという事態が起きている。

 

その他、某大手広告代理店と繋がりが強いことで知られている。メディアミックス戦略の一環として連載している作品がいつまでも連載していることがある。大人の都合で打ち切りに出来ないのだ。その他にも大御所作家の暴走、週刊誌である必要性がないほど毎週連載しない作家が多いため、号によっては看板作品が一つもなかったり、色々と素敵な雑誌である。

 

2016年15号は以下の掲載でした。

天真爛漫!お披露目グラビア「菅井友香×土生瑞穂×平手友梨奈」

●人気快走!駅伝大会開幕カラー『かなたかける』高橋しん

●メガヒット巻中カラー『恋は雨上がりのように』眉月じゅん

●IH予選クライマックスカラーあさひなぐこざき亜衣

●『アイアムアヒーロー』映画化記念アンソロジー第4弾!乃木坂太郎

●『土竜の唄高橋のぼる

●『アイアムアヒーロー花沢健吾

●『くーねるまるた高尾じんぐ

●『アオアシ』小林有吾

●『闇金ウシジマくん真鍋昌平

●『世界はボクのもの』若杉公徳

●『HIKARI-MAN』山本英夫

●『100万円の女たち』青野春秋

●『村上海賊の娘』和田竜+吉田史郎

●『夕空のクライフイズム』手原和憲

●『ダンス・ダンス・ダンスール』ジョージ朝倉

●『おかゆねこ』吉田戦車

●『シェアバディ』吉田貴司+高良百

●『僕はコーヒーがのめない』福田幸江+吉城モカ+川島良彰

●『猫工船』カレー沢薫

●『ふろがーる!』片山ユキヲ

●『ふつつかなヨメですが!』ねむようこ

●『るみちゃんの恋鰹』原克玄

●『させよエロイカ』高田サンコ

●『天そぞろ』あかほり悟+北崎拓+堀口菜純

●『気まぐれコンセプトホイチョイ・プロ 

今号のハイライト

『かなたかける』高橋しん

f:id:jassmaz:20160307233103p:plain

 

高橋先生は箱根駅伝出場経験者らしい。とりあえず前作花と奥たん』の完結をあんまり覚えていないのですが・・・突っ込みは野暮でしょうか。今作もスピリッツのお家芸であるフェイドアウト型打ち切りに合わないか若干不安です。連載8回目。

闇金ウシジマくん真鍋昌平

f:id:jassmaz:20160307234630p:plain

沖縄編。サンサンと照りつけるような太陽に青い海というイメージと正反対のイメージを突きつけてくる。空洞化する郊外が永遠と広がっていくだけなのだ。実際、沖縄の失業率生活保護率やひきこもり率の割合は全国トップクラスである。逃亡者である Mを捕まえようと牛島が迫る。

●『HIKARI-MAN』山本英夫

f:id:jassmaz:20160308001224p:plain

前週から連載再開。このまま島流しにされないかヒヤヒヤしていたが山本先生は単純に筆が遅いだけのようだ。ホムンクルスも休載続きだったもんね。山本英夫先生はキチガイを描かせたら天下一品。「ニャ〜」って擬音が怖すぎる。謎の発光体に変身した主人公 vs サイコパス格闘家の戦いがはじまる。今作のライバル扱いになりそうなキャラクタとの一戦。

・次号予告

f:id:jassmaz:20160308002914p:plain

またかよ!またバンド漫画かよ!世界最強の男がロックバンドでも頂点を目指すという「モッシュピット」の後釜枠なのでしょう。最強の男が不良高校で乱闘を繰り広げて圧勝してしまったり、バンド漫画なのに一切音楽をしていないのが爽快だったが、後半はロッキング・オンを読み始めて意識高くなってしまった中学生がロック哲学を語る漫画になってしまった。薄っぺらい思い込みに、拙い演奏、有名ロックフェスに出場出来るかと思いきや現実厳しく敗退。夢破れてあのときの熱量は一体なんだったんだろうか・・・?と、主人公達が自己批判しているところで連載終了。学生時代に『俺はバンドでプロになる!』って息巻いていた同級生が数年後全員失敗しているようにあまりに現実的な表現の結末が切なかった。もちろんそれは作者自身の連載打ち切りと被せたダブルミーニングになっている。

神性を演出するにはロックバンドはあまりにも歴史的に敗北しすぎているし、故に説得力が幼く見えてしまうんですよね。なんで君がそれを好きになったのか?それは語りすぎている人達がいるおかげじゃないのかい?ってね。

●『ダンス・ダンス・ダンスール』ジョージ朝倉

f:id:jassmaz:20160308002921p:plain

一方でジョージ朝倉の『ダンス・ダンス・ダンスール』は少年の動機付けを上手く描けていると思う。主人公はアクション映画監督の息子でジークンドを習っている。部活はサッカーだ。ロックバンドにも憧れる年頃で友人とバンドを結成しようぜ、と語り合っていることもある。それらの可能性を全て捨ててバレエに打ち込むようになる。男の子はぜんぜんやっていないバレエに打ち込むようになるのだ。女の子ばかりでかっこよくもないイメージがつきまとうバレエを主人公がはじめるのに強い動機付けが必要だ。

 

一話目から動機付けの伏線を少しずつ貼っているが、主人公自身が周りが押し付けたイメージを跳ね除けてくれたのは同じバレエ教室に通う天才少年が見せてくれた表現だった。自身の内面に潜む神性に気づいたのだ。幼き日に見たバレエに心を奪われた自分自身に気づき、他の物を捨てる覚悟ができる。思春期の付近にある部活動やバンドをやらなかったのは彼自身が望んでいたことじゃなかったんですよね。他人のかっこよさではなくて、自分の価値観で動けるようになった。ジョージ先生最高です。 

 

『忘却のさちこ』新宿「上海小吃」

週刊スピリッツで連載中の『忘却のさちこ』というグルメ漫画がある。結婚式を彼氏にバックれられたという悲しすぎる過去を持つ女性が主人公のさちこさん。さちこさんは美味しいものを食べている間だけ悲しい出来事を忘れていられる性格です。

 

基本的に実在する飲食店を取材して漫画にしているようです。でも、店名や地名はあまりはっきりさせない。知っている人だけがわかるようにしてあるんですよね。少し前に新宿歌舞伎町にある上海小吃を取り上げていました。

 

nemurenai-same.hatenadiary.jp

f:id:jassmaz:20160305174603p:plain

 

上海小吃は歌舞伎町の薄暗い路地中という立地だったり、日本語が通じなかったり、日本人から見るとゲテモノとしてか思えない料理があるし、お酒の持ち込みも可能だったりするせいで*1、歌舞伎町の路地に迷い込んだら東南アジア方面にワープしてしまったような錯覚を授けてくれる。もちろん味付けも日本人の味覚に合わせたローカライズはしていない。まるで歌舞伎町を根城とするチャイニーズマフィアの食堂になっていそうな雰囲気が魅力なんですよね。実際、インファナル・アフェアという香港制作のマフィア映画の撮影に使われているそうです。

 

上海家庭料理の店「上海小吃」の紹介 - YouTube

 

f:id:jassmaz:20160305175729p:plain

f:id:jassmaz:20160305175732p:plain

狭い路地にお店が二つ連なっているのも東南アジアぽい。店員さんは路地を跨いで料理を運んでいる。

 

もともと上海小吃はサブカル界隈の人たちに有名なお店で僕もライターの九龍ジョーさんに教えてもらった。どういう経緯かわからないけど、おしゃれ雑誌やテレビ番組でよく取り扱われたりするのは何らかの背景があるからだろう。雑誌編集者やテレビマンがこの辺りで飲み歩いていたからだろうか。

 

ローカライズをしていないので日本人には馴染みの薄い食材も使っているんですよね。昆虫や内臓類の変わったメニューもあるから、ゲテモノ好きにも知られているんだけど、上海小吃の看板メニューは「蛤の甘辛炒め」と「あげパン」のセットですよ。

 

f:id:jassmaz:20160305180622p:plain

 

そのまま食べても美味しいんだけど、蛤のスープに浸してから食べると気分はもう上海。

 

f:id:jassmaz:20160305181224p:plain

あげパンを浸して食べたサチコさんのセリフが上海小吃の魅力をまとめています。

 

「あ・・・この濃い目の甘辛なタレが、あげパンの甘さをさらに引き立てて・・・!!この雰囲気にこの料理・・・まるで旅行しているみたい・・・!!!」

 

そうなんですよ。旅行しているみたいなんですよね。新宿歌舞伎町にどこでもドアが設置してあって異国に行けてしまうわけです。上海小吃はそういうお店です。以上。

 

D02 地球の歩き方 上海 杭州・蘇州 2015?2016

D02 地球の歩き方 上海 杭州・蘇州 2015?2016

 

 

 

*1:ビール瓶はダメで缶ビールの持ち込みは何故か大丈夫だった。こういう理不尽なところも外国ぽい

誰でも入れるコミュニティは不届き者を集める

善意で運営されている勉強会に業者がうようよと入り込んでくるというエントリー。

www.bokukoko.info

 

古今東西、人間が集まる場所には不届き者が現れる。例をあげればキリがないがセクトやマルチ、カルト・・・etc・・・誘蛾灯に集まる害虫の如くどこからともなくやってくるのだ。ファーストコンタクトは大学入学時だろうか。多くの人がそうであるように中学、高校とクローズドなコミュニティに属している間は彼らと接触する機会は少ないだろう。多くは大学や社会人からではないだろうか。そう。偽装学生団体やサークルが新入生を食い物にしようとするのは桜の咲く季節の恒例行事である。

 

知っての通り運営側も黙って見ていない。新入生には偽装サークルに注意してください、という旨が伝えられるし、学内に彷徨く不届き者を排除するのも職員の仕事の一つである。二年生になる頃には時代錯誤なアジテーションたっぷりのビラを配っている集団を生暖かい目で見るようになる。Twitterで「あいつら毎日毎日うるせーな」って悪口を呟くようになるのだ。

 

コミュニティがオープンであればあるほど彼らは入り込みやすいし、クローズドであればあるほど彼らは入り込めなくなる。必然的にコミュニティの安全性もクローズドになればなるほど高まっていくのだ。しかし、当たり前のことだが人間は歳を取って死んでしまう。メンバーの流動性が無ければメンバーは減っていきコミュニティが縮小していくということである。死ぬ、は誇大表現かもしれないが、関心が薄くなる、引っ越し、結婚など様々な都合でコミュニティを離れることが考えられる。

 

 数日前に以下URLのエントリーを読んだ。詐欺まがいの勧誘をしている業者に某書店が場所を貸していた。最終的に客足が遠のき閉店してしまったという内容だ。

nakamorikzs.net

 

わざわざ自分から不愉快になる場所に近づきたくはないし、詐欺師の発生がコミュニティの衰退を招くのは必然である。 外部に開かれているコミュニティの運営者は全力で不届き者を排除するようになる。ただ、外部の人間から見ると健全か不健全か判別がつき難いことが多い。趣旨や事業内容でうっすらと推測することができるが、確証することは難しい。

 

最近、僕のマイブームは海外のボードゲームだ。その中に無人島を開拓するゲームがある(推測してください)。グーグルで検索するとある匿名記事が表示される。ゲームを推進する団体が犯罪紛いのことをしていると暴露しているというものだ。そのゲームを推進する団体は他にもあるのだがその団体が主催する大会でもマルチビジネスに誘われたという噂は枚挙に暇がない。*1

 

不届き者が健全なコミュニティの衰退を招くと書いたが、コミュニティが元々真っ黒である場合は別である。例えばとある某有名シェアハウスのパーティに参加したらマルチや派遣に登録させられそうになったという話がある。シェアハウス募集サイトのcolishを眺めるとヤクザのフロント企業が経営しているのでは?と思う物件もちらほらある。

 

排除する、というのはリベラルな人ほど嫌う傾向にあると思うが、国家が入国管理局や税関を設けるようのと同じである。設けなければ邪悪な者や兵器が無尽蔵に流入してくるからである。包摂は排除を伴い、排除しないことは包摂しないことにもなる。

 

奇妙なことに市町村レベルの行政が運営しているコミュニティ◯◯(カフェ、スペース、ルーム)は市民ならば誰でも入れる場所になっている。邪悪な存在の巣窟になっていることは言うまでもない。国家レベルならば排除しているのに市町村レベルでは包摂しているのが現状だ。彼らも市民税を払っているから税金で作った施設で拒否することは出来ないかもしれないが・・・。

 

運営者側はオープンでいればいるほど彼らの排除に務めるわけだが、彼らは反社会的な存在だ。何を言っているのだ、と思うかもしれないが、社会に馴染めないから反社会的な行動をしているということだ。つまり、反社会的な精神性を持っている人物であることが非常に多い。そして、自分自身の精神を磨り減らす対応に迫られることも少なくないのだ

 

結局、普通の人にとっては会社や学校以外のコミュニティは『行かない』『作らない』『関わらない』ほうが得策だったりするのだ。しかし、インターネットのサービスはアレな人の意見を機械的に排除していることがある。現実社会のコミュニティにも似たような仕組みがあればいいと思うことがある。逆恨みはされたくないからだ。

 

 

詐欺とペテンの大百科

詐欺とペテンの大百科

 

 

 

*1:ボードゲームは定期的に流行の兆しを見せるがいつも尻すぼみで終焉を迎える。不届き者がコミュニティを荒らすことが原因の一つになっているのかもしれない。単純に絵映えしないし、ルールを覚えるのが難しいというのもあるのだろうが・・・。