荒木飛呂彦の漫画術
読みました。
視覚的表現の勉強はヒッチコックの「映画術」が一番良いそうです。予測表示に荒木先生の本もありますね(笑)みんな調べるんですね。
ちなみに本書ではいろいろと少年漫画批判と取れ無くもない、"こういう漫画は嫌いだ"という持論が主張されている。
主人公が困難な状況に陥ったとき、突然隕石が落ちてきたり、たまたま警察が通りかかったり、昔の仲間が助けに来てくれる、神様が現れる、神風が吹く・・・・・・こんなことで解決されてしまっても、まったく説得力を感じないでしょう。そのための伏線があるならともかく、一連の流れやキャラクター、世界観とは全然関係ないところで、苦し紛れにそういうものが出てくるのはNGです。
p136
自分の世代だとダイの大冒険を思い出しました。序盤で亡くなった主人公達の師匠が最終局面で奇跡の復活。
何の伏線も無く復活するアバン先生
さらにラーハルトというライバルも味方として復活。
推参じゃないよ!!!!もう!!!!笑
さらに荒木先生は以下のようにも言っています。
何かの因縁に遭ったとき、それを解決し、道を切り拓いていくのは人間の自らの力によるのであって、そこで急に神様が来て助けてくれたり、魔法の剣が突然落ちてきて、拾って戦ったら勝ってしまった、というような都合のいい偶然は『ジョジョ』ではけっして起こりません。
p221
ちなみにダイの大冒険の最終巻に魔法の剣が突然落ちてくるんですよね・・・(笑)
もちろんこれはダイの大冒険に限った話ではないです。少年漫画によくある現象です。
少年ジャンプには掲載された作品が下書き状態だったことが何度かあります。それについて荒木先生はバッサリ。
絵を雑に描くこと自体がダメでしょう。締め切りまで時間がなくて追い込まれているのだとしても、なるべく丁寧に描くというのは基本中の基本です。一見、「この絵、汚ねえな」と思うような絵でも、原画を見ると、実に丁寧に描かれていたりします。プロである以上、手抜きの絵を描いてはいけませんし、その手抜きをごまかそうとするなど言語同断だと思います。
P187
冨樫働け。