なつやすみ日記

猫のような日々

フランチャイズビジネスの闇

若年層の間で固定電話を引くことは少なくなっているそうだ。携帯電話の普及で広大な砂漠や草原があるような国でもようやく電波網が広がったなんて話があるぐらいだ。世界的に固定電話を持つ人は少なくなってきている。

 

僕は実家住まいの若年無業者だ。午前中に家にいることも珍しくない。現代の貴族。自宅警備員ライフ。生活保護予備軍。なんと呼ぼうが自由だが母親が買い物に出かけている間に固定電話にかかってくるセールスの電話を取ることも少なくない。今も受話器を下ろしたばかりだ。

 

電話の内容は不用品回収のセールスだった。僕も興味があるビジネスだ。不用品を回収し、amazonなどのネットショップで売りさばく。壊れた電化製品や電池など素人が扱いにくいゴミも多量にあれば買い取る業者は存在する。ただ無料で引き取る、つまり引き取ったものを引き払う構図は誰もがわかることだ。かつてはお金を払って手に入れたものを誰かに無償で引き取られるのはなかなか抵抗があるだろう。それに最近はハードオフブックオフ等のどこにでもあるようなリサイクルショップに電話一本で駆けつけて二束三文で買取をしてくれるようになっている。新たな付加価値を付けなくてはビジネスにならないと僕は考えている。それは信頼や社会貢献のようなものだと思っているが残念ながらまだ答えは出ていない。

 

統計的に人口の一定以上が詐欺に騙されてしまうように、テレアポを繰り返せば無償で不用品を渡す人もいるのだろう。

 

話が随分と逸れてしまった。僕は大抵セールスの電話がかかってくると「母は出かけております」と静かに受話器を置く。今回は「母に伝えておきます」と答えた上で会社名と事業所を尋ねた。会社名は株式会社ゼンダーツー(仮称)、事業所は東京都足立区にあった。

 

電話を切った後、即座に手元のiPadで会社名で検索をする。すると事業所の場所に某大手古本店の店舗があった。そして、会社の名前でamazonなどのネットショップで回収した不用品を転売していた。もちろん某大手古書店の名前では無い。

 

想像に難しくないことだ。引き取った商品で値段が高くつきそうな物や売れない物をネットショップで処分し、そうではないものは大手古書店のほうに陳列する。一時期セドリという古書店で買った本をインターネット・ショップで売買するビジネスが注目された。これは大手古書店では買取ルールの間隙を突いたビジネスだった。汚れていたり、古かったりするものは一律10円といったふうにだ。中にはプレミアがついている本があるいも関わらずだ。もちろん僕の実家にセールスをしてきた会社は衣類等も回収していると言っていた。高いブランド品はネット・オークションで売りさばき、二束三文の商品は店舗に陳列するなどもしているだろう。

 

もちろん大手古書店はフランチャイズ店舗にこのようなビジネスは認めていない。フランチャイズの規約には競業避止義務があった。競業避止義務とは契約中は似たようなビジネスを行わないという約束のことだ。当たり前だがインターネット・ショップで捌いた商品は大手古本店の売り上げにもなっていたかもしれないからだ。

 

ただし、コンビニなどで知られているようにフランチャイズ・ビジネスは邪悪なものが多い。高額なフランチャイズ料金が毎月取られ、直営店がフランチャイズ店の近くに出来ることもよくあることだ。もちろん潰れたところで運営側は知ったところではない。多額の出費に苦しめられて彼らは契約違反行為に手を出しているのかもしれない。

 

 

コンビニ・フランチャイズはどこへ行く―「地獄の商法」?適正化への法規制が必要だ

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